不動産の所有権に関する最初の登記

建物を新築した場合や、新築建物を購入した場合に行う、所有権についての初めての登記になります。不動産に関する所有権の登記は、所有権保存登記から始まります。

不動産の現況についての登記は表題部という箇所に登記されますが、これは権利についての登記ではありません。不動産の公示としては、まず最初に表題部にする不動産の現況に関する登記を行い、その後権利に関する登記を行います。そして不動産の現況に関する表題部登記は土地家屋調査士、権利に関する登記は司法書士が行います。

  専門士業
表題部登記 土地家屋調査士
権利部登記 司法書士

 

所有権保存登記とは

表題登記とは、当該建物についての物理的現況を示す登記ですが、表題部(表題登記によって登記簿に反映された部分)にも表題部所有者が登記されます。表題部所有者は所有権者としての権利者の登記ではないためこのままではその後、売買等により所有権が移転した時や、ローンを組んで抵当権を設定した時に、当該移転登記や設定登記をすることができません。所有権保存登記をすることにより、不動産の権利関係についての登記がはじめてできるようになります。

所有権保存登記は申請人となる適格者として、以下の通り不動産登記法により定められています。また所有権保存登記は、以下の者が単独で申請することになります。

所有権保存登記申請適格者(不動産登記法74条)
● 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
● 所有権を有することが確定判決によって確認された者
● 土地収用法による収用により所有権を取得した者
● 区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者 ※

※ 敷地権付区分建物については、敷地権者の承諾が必要です。

区分建物(マンション等の集合住宅)における所有権保存登記

区分建物とは、マンションやアパートなど一つの建物の中に、複数の独立した住居が存在する建物のことをいいます。そして敷地権(区分建物を建てる上での土地の利用権)が存在する区分建物のことを敷地権付区分建物といいます。

敷地権付区分建物の保存登記については、敷地権の移転も考慮しなければなりませんので注意が必要です。敷地権付区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者(転得者)は、建物についてその転得者名義で所有権保存登記をすることができます。
建物の敷地を使用する権利(敷地権)は、表題部所有者から転得者へ移転することになりますので、敷地権の移転について登録免許税が課されることになります。また敷地権の移転について、敷地権者の承諾が必要になりますので、一般的な所有権保存登記より手続きが煩雑になります。

建物の所有権 敷地の利用権
所有権保存登記 所有権保存登記により敷地権も移転

↓                 ↓

所有権移転分の登録免許税 敷地権移転分の登録免許税

 

司法書士報酬額


25,000円~(税別)

登録免許税


固定資産評価額×0.4%


区分建物の表題部所有者からの取得の場合、敷地権の移転についても登録免許税が課されます。税率については、敷地権の種類によって異なります。

敷地権の種類 登録免許税率
所有権 固定資産評価額×2%
地上権 固定資産評価額×1%
賃借権 固定資産評価額×1%

※区分建物を売買により取得した場合に所有権である敷地権が移転した場合の敷地権移転の登録免許税率は1.5%となります。


必要書類一覧(通常の保存登記)
・申請人の住民票(マイナンバーの記載の無いもの)
・申請人からの委任状
・申請人が法人の場合は登記事項証明書の写し
必要書類一覧(区分建物の表題部所有者から取得した場合)
・申請人の住民票(マイナンバーの記載の無いもの)
・表題部所有者の所有権譲渡証明書
・敷地権者の承諾書(印鑑証明書、資格証明書付)
・申請人からの委任状
・申請人が法人の場合は登記事項証明書の写し

 

実費
・事前登記簿閲覧代金(不動産の個数によって変わります)
・事後謄本取得代金(不動産の個数によって変わります)
・住民票取得代金
・申請人が法人の場合は登記事項証明書取得代金

※あくまで実費ですので、書類の取得を代行したからといって、代行業務に対する報酬はいただきません。

 


尚、個人(法人には適用されません)が住宅の新築または住居用に住宅を取得した場合に、一定の要件を満たせば住宅用家屋証明書の交付を受け、所有権保存登記の申請の際にこれを提出することによって、登録免許税の軽減を受けることができます。

住宅用家屋証明の要件についてはこちら

軽減措置を受けた場合の登録免許税


固定資産評価額×0.15%

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